はじめに
私はパン屋で約3年半働いており、最初は正社員として製造と販売の両方を経験しました。その後は本業と両立しながら、現在もアルバイトとしてパン屋で働いています。
パン屋で働く前は、パンの専門学校に通っていたわけでもなく、パン作りも未経験でした。
パン屋の仕事に興味がある方の中には、「未経験でも働けるの?」「実際はどんな仕事なんだろう?」「きついって本当?」と気になっている方も多いと思います。
この記事では、約3年半働いてきた経験をもとに、パン屋のリアルな仕事内容や、働いて感じた良かったこと・大変だったことを紹介します。
パン屋で働いてみたい方や、アルバイト・就職を考えている方の参考になれば幸いです。
パン屋で働いて良かったこと
パン作りの基礎が身についた
パン屋で働いて一番良かったと感じるのは、パン作りの基礎が身についたことです。
パン屋によって製造方法は異なりますが、私が働いていたお店では、生地は工場で作られた冷凍生地が届くため、小麦粉から生地を作る工程は経験していません。
しかし、成形や発酵、焼成などは毎日のように経験しました。パンによって成形方法や焼き加減が異なるため、繰り返し作業する中で少しずつ技術や知識が身についたと感じています。
家でパンを焼くようになったのも、この仕事がきっかけです。
働く前はパン作りは難しそうなイメージがありましたが、パン屋で働くうちに、家でも挑戦してみようと思えるようになりました。
今ではお店で販売していたパンを再現してみたり、YouTubeのレシピを参考にしながら新しいパンを作ったりしています。
パンを持ち帰ることができた
私が働いていたお店では、パンを持ち帰ることができました。
正直、働き始めた頃は「パンをもらえるのは嬉しい!」という気持ちもありました。毎日たくさんのパンを作っている中で、自分で買わなくても商品を食べられるのはありがたかったです。
しかし、ただ嬉しいだけではなく、実際に食べることでパンの味や食感、特徴を知ることができました。
パン屋では「卵が入っていないパンはありますか?」「乳製品は使っていますか?」など、お客様から原材料について質問されることも少なくありません。
私も一人で売り場に立っている時、すぐに答えられず焦った経験があります。しかし、製造も担当していたことで、どんな材料を使っているのかや商品の特徴も自然と覚えられました。
実際に食べた感想と製造で得た知識の両方があったおかげで、お客様にも以前より自信を持って説明できるようになったと感じています。
※パンの持ち帰り制度はお店によって異なります。

パン屋で働いて大変だったこと
正社員だからこそ大変だったこと
私が働いていたお店では、土日は基本的に出勤でした。
常に人手不足だったこともあり、土日に休むことはほとんどできませんでした。もし休んでしまうとお店が回らなくなってしまうため、「自分が休めばお店に迷惑をかけてしまう」というプレッシャーもありました。
実際に最大13連勤したこともあり、7時から22時頃まで休憩なしで働いた日もあります。
飲食業全体に言えることかもしれませんが、正社員は体力面だけでなく、責任の重さも大変だと感じました。
厨房は暑く、やけどの危険もある
私が働いていたお店ではエアコンは付いていましたが、それでも厨房はかなり暑かったです。特に窯の前は熱気がすごく、夏場は汗だくになりながら作業することもありました。
また、厨房ではやけどの危険もあります。私自身、一度腕をひどくやけどしたことがあり、すぐに冷やしましたが、2年経った今でもうっすら跡が残っています。
それ以来、暑くてもアームカバーを持参して作業するようになりました。着けていなかったら、もっと多くのやけどをしていたと思います。
さらに、フライヤーを使う作業では、はねた油でやけどをすることもあります。
慣れてくると気が緩みやすくなりますが、そんな時こそケガをしやすいので注意が必要だと感じました。
体への負担が大きく、体力が必要
パン屋の仕事は、一日中立ちっぱなしになるため、想像以上に体力を使います。
また、鉄板自体が重く、何度も持ち運ぶため腰への負担も大きいです。特に腰が弱い方は注意した方がいいと思います。
成形作業では長時間下を向いて作業をするため、首や肩が痛くなることもありました。
私が働いていたお店では、衛生管理のためゴム手袋を着用していましたが、長時間着けているうちに手がかゆくなることもありました。
体力だけでなく、腰や肩など体への負担が大きい仕事だと感じています。
パンの種類や値段を覚える必要がある
パン屋のレジは、一般的なスーパーやコンビニとは少し違います。
私が働いていたお店では、約50種類のパンがあり、名前だけでなく金額も覚える必要がありました。
お客様がトレーに乗せたパンを一つずつ確認して会計を行い、その後はパンをつぶさないように袋へ詰めます。パンは形や大きさがそれぞれ違うため、きれいに詰めるのも意外と気を使う作業でした。
最初は覚えることが多く大変でしたが、私の場合は約2週間で名前と金額を覚えることができました。
発酵の見極めが難しい
パン作りで特に難しかったのが、発酵の見極めです。発酵が足りないとパンが固くなり、反対に発酵しすぎると形が崩れたり、表面にガスが出たりして見栄えが悪くなってしまいます。
「もう少し発酵させよう」と思って他の作業をしているうちに、気付いた時にはタイミングを逃してしまうこともありました。また、パン同士がくっついてしまい、無理に離すことで見た目が悪くなることもあります。
発酵のタイミングを見極めるのはとても難しく、自分の判断ミスが原因でパンを廃棄しなければならないこともありました。私にとって最後まで難しいと感じた工程の一つです。

パン屋の仕事に向いてる人
早起きができる人
私が働いていたお店は10時開店でしたが、製造スタッフは朝7時から勤務していました。
パン屋は開店前から仕込みや製造を行うため、朝早い時間から働くお店も多くあります。
朝型の生活が苦にならない人に向いている仕事だと思います。
体力がある人
パン屋は立ち仕事が中心で、重い鉄板を運ぶこともあります。
また、窯への出し入れでは、しゃがんだり立ったりを繰り返すため、足や腰への負担も感じました。
さらに、製造や販売では店内を動き回ることも多く、想像以上に体力を使う仕事でした。
接客が苦にならない人
パン屋では、お客様から商品について質問を受けたり、焼きたてのパンをおすすめしたりする機会があります。
また、私が働いていたお店では「いらっしゃいませ」の声出しをすることも多く、接客が苦手な私はそこが一番大変でした。
人と話すことが好きな人や、接客が苦にならない人は働きやすい仕事だと思います。
パンが好きな人
パンが好きな人にとっては、毎日さまざまなパンに囲まれて働けることが魅力です。
私が働いていたお店では、新商品が出ると試食をする機会もありました。実際に食べることで商品の特徴も知ることができ、パン好きには嬉しい環境でした。
「パンが好き」「おいしいパンを作りたい」という気持ちがある人は、やりがいを感じながら働ける仕事だと思います。
パン屋の仕事に向いてない人
朝が苦手な人・夜型の人
パン屋は開店前から仕込みや製造を行うため、朝早くから勤務が始まるお店も多くあります。夜型の生活をしている人や、早起きが苦手な人には大変だと感じました。
体力に自信がない人
パン屋では、小麦粉や生地、油缶などの重いものを運ぶほか、鉄板を重ねて運ぶこともあります。立ち仕事が中心のため、体力に自信がない人や、腰・膝に不安がある人は負担を感じるかもしれません。
マイペースな人・大雑把な人
パン作りは発酵時間との勝負です。限られた時間の中で、手際よく複数の作業を進めることが求められます。
また、パンはとても繊細です。具材の量や成形が少し違うだけでも見た目が変わり、売り物にならないこともあります。生地作りを行うお店では、材料をグラム単位で正確に量ることも重要です。
そのため、マイペースに作業を進めたい人や、大雑把な性格の人は大変だと感じるかもしれません。
チームでの作業が苦手な人
パン屋は一人で仕事をするのではなく、スタッフ同士で協力しながら作業を進める仕事です。
私が働いていたお店では、「もうすぐ焼き上がります」「後ろ通ります」「熱いので気を付けてください」など、スタッフ同士で常に声を掛け合いながら仕事をしていました。狭い厨房では熱い鉄板を持って移動することも多いため、安全のためにも声掛けは欠かせませんでした。
作業によっては黙々とできる時間もありますが、基本的にはチームで連携しながら働くため、一人で黙々と仕事をしたい人や、コミュニケーションが苦手な人は大変だと感じるかもしれません。
まとめ
パン屋の仕事は、体力が必要な肉体労働であり、正社員として長く働くのは大変な仕事だと感じました。
一方で、アルバイトであれば気軽に挑戦しやすく、パンが好きな方や少しでも興味がある方には、一度経験してみる価値がある仕事だと思います。短期間でもパン作りの知識や技術が身につき、自宅でパンを作ることへの苦手意識もなくなりました。
私は正社員として働き続けることは難しいと感じて退職しました。職場には今でも長く働いている方もいましたが、人手不足の影響で一人ひとりの負担がとても大きいと感じました。自分に合わないと感じたら、無理を続けるのではなく、早めに環境を見直すことも大切だと思います。
また、パン屋は製造・販売など担当するポジションによって、仕事内容や体力的な負担、求められるスキルも異なります。
この記事が、パン屋で働こうか迷っている方の参考になれば嬉しいです。

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